漏電とは?初心者にも分かる基本と対策
こんにちは!電気工事士のたかひろです。今日は、電気を扱う上で知っておきたい重要なトピック「漏電」についてお話しします。漏電という言葉を聞いたことはあるけれど、具体的に何が起こっているのか、なぜ危険なのか、どうやって対策すればいいのかが分からないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、漏電の基本的な仕組みから、安全対策までを分かりやすく解説します。

漏電とは?
漏電とは、本来電気が流れるべきではない場所に電気が流れてしまう現象のことです。通常、電気は配線や機器内部を通り、目的の場所で消費されます。しかし、絶縁体(電気を通さない材質)の劣化や破損が原因で、電流が予期せぬ経路を通ることがあります。これが漏電です。
例えば、家電製品の電源コードが傷ついている場合、内部の電線が露出し、その部分から電流が外部に漏れることがあります。この漏れた電流が人体や金属を通ると感電や火災の原因になります。
さらに、漏電は外観からは分かりにくいことが多く、気付かないうちに進行している場合もあります。特に湿気が多い環境や古い設備では注意が必要です。
漏電の原因
漏電が発生する主な原因には以下のようなものがあります:
- 絶縁体の劣化
- 長年の使用により、コードや配線の絶縁体が劣化し、電流が漏れやすくなる。
- 紫外線や化学物質の影響も、絶縁体の劣化を加速させます。
- 物理的な損傷
- 配線やコードが物理的に損傷することで、内部の電線が露出してしまう。
- ネズミや害虫による噛み跡が原因となることもあります。
- 湿気や水の侵入
- 湿気や水が配線や機器内部に入り込み、電気が漏れやすい状況を作り出す。
- 浴室やキッチンの配線は特に注意が必要です。
- 不適切な工事
- 配線工事が不適切に行われている場合、電流が誤って漏れるリスクが高まる。
- 電気工事士の資格を持たない人が作業を行った場合、漏電の危険性が増します。
- 過負荷
- 電力を必要以上に使用すると、配線や機器が耐えきれずに漏電が発生することがあります。
- 特に延長コードを過剰に使用する場合には注意が必要です。
漏電が引き起こすリスク
漏電は以下のような重大なリスクを伴います:
1. 感電
漏れた電流が人体を通ると感電事故が発生します。特に高い電圧や長時間の接触は、命に関わることがあります。
感電の危険性は、電流の強さ(アンペア)と電圧の高さに依存します。少量の電流でも、特定の条件下では心臓や神経に深刻な影響を与える可能性があります。
2. 火災
漏電によって発生した熱やスパークが、周囲の可燃物に引火することで火災が発生します。特に古い配線やコードがある場所では注意が必要です。
統計によると、家庭で発生する火災の原因の一部は漏電によるものです。定期的な点検が火災予防につながります。
3. 機器の故障
漏電は家電や電子機器の正常な動作を妨げるだけでなく、機器自体を故障させる原因にもなります。
たとえば、冷蔵庫やエアコンなどの高出力機器が漏電すると、修理費用が高額になる可能性があります。

漏電を確認する方法
漏電が疑われる場合、以下の手順で確認を行いましょう。
1. ブレーカーの確認
漏電が発生すると、漏電ブレーカー(漏電遮断器)が作動し、電気の供給を停止することがあります。もしブレーカーが頻繁に落ちる場合、漏電が原因かもしれません。
漏電ブレーカーの作動状況を確認し、異常があれば早急に対応しましょう。
2. 専門のテスターを使用
漏電検知器(テスター)を使用すると、配線や機器に漏電があるかを確認できます。使い方は簡単ですが、電気工事士に依頼するのが安全です。
テスターには簡易型と専門型があります。簡易型は家庭用として使いやすく、専門型は正確な測定が可能です。
3. 目視チェック
コードや配線に損傷や焦げ跡がないかを確認してください。ただし、目視だけでは漏電の全てを発見することはできません。
湿気や異臭がある場合、それも漏電の兆候である可能性があります。
漏電対策
漏電を防ぐためには、以下の対策が有効です。
1. 定期的な点検
家の配線や家電製品を定期的に点検し、問題があれば早めに修理や交換を行いましょう。
点検は少なくとも年に一度行うのが理想です。専門家による点検を依頼することで、安全性が確保されます。
2. 漏電遮断器の設置
漏電遮断器は、漏電が発生した際に自動的に電気を遮断する装置です。これにより、感電や火災のリスクを大幅に減らせます。
特に新築住宅やリフォーム時には、必ず設置を検討しましょう。
3. 適切な環境管理
湿気や水が多い場所では、防水対策をしっかり行いましょう。浴室やキッチンでは特に注意が必要です。
湿度が高い季節には、除湿機の使用や換気を心がけることも効果的です。
4. 適切な工事
新しい配線や機器を設置する際は、必ず資格を持った電気工事士に依頼しましょう。
DIYでの工事は漏電のリスクを高めるため避けるべきです。
5. 過負荷の回避
一つのコンセントに多くの電気製品を接続するのは避けましょう。必要に応じて、専用の回路を設けることも考えてください。
過負荷は漏電だけでなく、機器の寿命を縮める原因にもなります。

漏電が発生したらどうする?
漏電が疑われる場合、次の手順を守って対応しましょう。
- 電気を切る
- ブレーカーをオフにして電気の供給を停止します。
- 安全な場所に避難
- 感電や火災の危険がある場合は、安全な場所に避難してください。
- 専門家に連絡
- 電気工事士や電力会社に連絡し、状況を伝えて対策を依頼しましょう。
- 原因を特定し修理
- 漏電の原因を特定し、必要に応じて修理や交換を行います。
専門家による対応は、長期的な安全性を確保する上で欠かせません。
まとめ
漏電は、電気を安全に使用するために必ず知っておきたい現象です。適切な点検と対策を行うことで、感電や火災といった重大なリスクを回避することができます。もし漏電が発生したら、焦らずに冷静に対応し、専門家に相談してください。
この記事が、漏電についての理解を深める手助けになれば幸いです!これからも電気に関する安全な情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてくださいね。