バスダクトとは?電気工事士がやさしく解説する高効率配線システムのすべて
こんにちは。現場で日々働いている電気工事士のたかひろです🌸
今回は、現場でもよく使用される「バスダクト(Bus Duct)」という配線システムについて、初心者の方にも分かりやすく、そして少し専門的なところまで踏み込んでご紹介します。

🧭バスダクトとは?
▶ 定義
バスダクトとは、電力を効率的に伝送するための「導体(バスバー)」を金属の筐体(ケース)に収めた幹線用の配線システムです。
高電流に強く、長距離配線に向く
設置が省スペースでスマート
途中から電源を分岐できる
このような特性により、バスダクトは高層ビル、工場、データセンター、大規模商業施設など、電力を多く使用する場所で広く採用されています。
⚖ ケーブル配線とバスダクトの違い
一般的なCVケーブルなどの電線と比べて、バスダクトにはどんなメリット・デメリットがあるのか比較してみましょう。

| 比較項目 | バスダクト | ケーブル配線 |
|---|---|---|
| 電流容量 | 大容量向き(数千A以上も可) | 中容量まで(数百A) |
| 施工性 | 工場プレファブで高効率 | 手作業が多く現場での加工が必要 |
| 設置スペース | コンパクトで空間効率が良い | 曲げや取り回しに広い空間が必要 |
| 点検・メンテナンス | 外装を開ければ目視点検がしやすい | 絶縁抵抗測定などが主で、目視困難 |
| 柔軟性 | 固定式で可変性が少ない | 自由な経路で柔軟に配線可能 |
| 分岐のしやすさ | タップオフユニットで後から分岐可能 | 基本的に分岐用ジョイントが必要 |
| 初期コスト | やや高め(ただしトータルで安価な場合あり) | 安価(小規模施設向き) |
🏭バスダクトの構成と部材
🔧構成要素
バスダクトは単なる配線ではなく、複数の部材が組み合わさったシステム商品です。
https://noisy-saiki-7539.mods.jp/blog190/
本体ダクト部(幹線部分)
バスバー(導体):銅またはアルミ
絶縁材:熱硬化性樹脂やエポキシなど
ケーシング(筐体):アルミやスチールなど
接続部ユニット
各ダクト同士を接続するジョイント部分
絶縁と導通を同時に担う部材構成
タップオフユニット
幹線上から分岐するための分電ユニット
盤や機器に直接接続可能
固定金具・吊り金具
天井や梁にしっかり支持するための部材
📚バスダクトの種類
用途に応じて、いくつかのタイプがあります。特に絶縁方式によって分類されます。
1️⃣ 空気絶縁型(AIS)
導体の間を空気で絶縁
安価で冷却性が良く、主に屋内向け
高さに余裕のある建物や工場に適す
2️⃣ モールド絶縁型(MIS)
導体がエポキシ樹脂で包まれている
防湿性・耐塵性に優れ、屋外や高湿環境に◎
クリーンルームやデータセンターに最適
3️⃣ 耐火型・防水型
火災時にも電力供給を継続できる
屋外や地下施設など、水害・火災対策に対応
💡どこで使われているの?
現場で私が見たバスダクトの使用例をご紹介します!
🏗️ 高層ビルの幹線配線
電力を階ごとに分岐させるために、垂直に縦に設置(垂直立てダクト)
エレベーター設備、空調用高圧機器などへ配電
🏭 工場の生産ライン
大型機械(モーター、圧延機など)への安定した給電
設備更新時にタップオフユニットを増設して対応
🖥️ データセンター
ラックごとに大電流を供給
エポキシモールド型で発熱・ノイズを抑制
🔍バスダクトの選定時の注意点
バスダクトは機器と違い、建物に固定されるインフラです。選定・設計ミスは後戻りできないため、慎重な検討が必要です。
| チェック項目 | 内容例 |
|---|---|
| 電流容量 | 400A?1000A?将来増設も想定? |
| 配線距離 | 電圧降下や短絡電流の確認が必要 |
| 接続機器 | 盤との接続口、盤形状に注意 |
| 設置環境 | 湿度、埃、屋外・屋内の条件確認 |
| 避雷対策 | 落雷多発地域では避雷器付き必要 |
| メンテナンス性 | 吊りボルトや作業空間を確保 |
📷簡易バスダクト配線イメージ図(横引き)
⚠️施工現場での注意点(体験談)
私が携わった某ビル現場での施工では、以下のことに特に注意しました。
吊りボルトの位置ズレ
設計図と現場の梁位置がずれていて、急遽吊り金具位置を変更。
タップオフユニットの誤差し込み
極性を間違えると大事故になるため、作業員2名でのダブルチェックを徹底。
防火区画の貫通
貫通部に耐火シール材を用い、消防法に対応。
搬入経路の確保
3m以上の長尺バスダクトは、エレベーターでは運べず、階段手上げに……
🔚まとめ:バスダクトは未来の主流配線?
| 特徴 | メリット |
|---|---|
| 高容量 | 大電流も安全に送れる |
| メンテ性 | 外装を開けて点検できる |
| スマート施工 | 計画的・整然とした配線が可能 |
| 分岐の柔軟性 | タップオフで柔軟に対応できる |
| スペース効率 | 建物内の有効活用がしやすい |
将来的に再生可能エネルギー設備や電気自動車充電器の導入など、大電力インフラが増える中で、バスダクトの導入が今後ますます拡大するでしょう。
🗨️おわりに
施工者として感じるのは、「バスダクトは手間がかからず美しく、そして確実に配電できる配線の理想形」だということ。
安全・効率・拡張性のすべてを兼ね備えたバスダクトは、まさに現代建築に欠かせない存在です。
電気の流れに携わる私たち工事士にとって、バスダクトを理解することは、建物の心臓部を知ることに等しいと思います。
少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです😊

























