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低圧屋内幹線

屋内幹線

低圧屋内幹線

電気システムにおける低圧屋内幹線の基本的な概念や重要性について説明します。

低圧屋内幹線とは何ですか?

低圧屋内幹線は、建物内で電力を分配するための電気配線システムの一部であり、主に住宅や商業施設、工場などの建物で使用されます。低圧とは、一般的に1000V以下の電圧を指します。これに対し、高圧屋外幹線は、建物外の電柱や地中に敷設された電線で、通常1万V以上の高電圧を扱います。

低圧屋内幹線は、主に主幹線として機能します。つまり、送電側の配電盤からの電力を受け取り、建物内のサブパネルや各部屋のコンセントなどの電気機器に分配します。これらのサブパネルは、回路ブレーカーで保護されており、電力のオーバーロードやショートサーキットから建物内の電気機器を保護する役割を果たします。

低圧屋内幹線の重要性は何ですか?

低圧屋内幹線は、建物内の電力を効率的かつ安全に分配するために非常に重要です。正しく設計され、適切に設置された低圧屋内幹線は、建物内の電気機器に必要な電力を供給し、オーバーロードやショートサーキットから保護します。

低圧屋内幹線は、建物内の電気機器に必要な電力を供給するために必要なだけでなく、省エネルギー性にも重要な役割を果たします。適切に設計された低圧屋内幹線は、電力ロスを最小限に抑え、電力効率を向上させることができます。

低圧屋内幹線の設計と設置

低圧屋内幹線の設計と設置は、専門的な知識と経験を必要とするため、DIYでの実施はお勧めできません。以下に、低圧屋内幹線の設計と設置についての基本的な情報をまとめました。

設計

低圧屋内幹線の設計には、建物のサイズ、電力需要、および将来的な拡張の可能性などの要因を考慮する必要があります。また、設計は、地域の電気コードや規制に従う必要があります。一般的に、設計は、専門の電気技師や電気工事士によって行われます。

低圧屋内幹線の設計

屋内幹線の太さ(許容電流)

屋内幹線の太さ(許容電流)は、その幹線につながる負荷の定格電流の総合計以上が必要です(ただし、負荷力率や需要率が明らかなら、それを組み入れて設計します)。

また、負荷に電動機があるときは、始動時に大きな電流が流れるため、ほかの機器の負荷総量と比較して幹線の許容電流値が決まります。

幹線の許容電流

需要率

通常、すべての電気機器が同時に使われることは少なく、使用時の最大容量は設置された機器の定格容量の合計より小さくなるのが一般的です。それを需要率と呼びます。

幹線の過電流遮断器の定格電流

過電流遮断器は、過電流から幹線を守る機器です。そのため、幹線に施設する過電流遮断器の定格電流は、その幹線の許容電流より小さいことが原則ですが、負荷に電動機がある場合には、次のどちらか小さい方以下のものを施設します。

幹線許容電流の2.5倍以下

②(電動機の総定格電流の3倍+電動機以外の総定格電流)以下

幹線に施設する過電流遮断器の省略条件

幹線から分岐した細い幹線の過電流遮断器は、分岐点から原則3m以内に施設しなければいけませんが、以下の条件下では、過電流遮断器の施設を省略できます。

①分岐した幹線の許容電流が幹線の過電流遮断器の定格電流の55%以上の場合(分岐した幹線の長さに制限はない)。

②分岐した幹線の長さが8m以下で、その許容電流が、幹線の過電流遮断器の定格電流の35%以上の場合。

③分岐した幹線の長さが3m以下で、負荷側に幹線を接続しない場合(分岐した幹線の許容電流に制限はない)。

過電流遮断器の省略条件

 

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設置

低圧屋内幹線の設置には、まず、配電盤から各フロアのサブパネルまでの電線が引き回されます。このとき、電線の種類や断面積、配線の長さなどについて適切に検討し、効率的な配線を実現する必要があります。

また、サブパネルから各部屋や電気機器までの配線も、適切に設置する必要があります。配線は、壁の中に埋め込むか、電線管などの保護器具を使用して露出させることができます。

低圧屋内幹線の設置は、電気工事の専門家によって行われることを強くお勧めします。適切な設置が行われない場合、火災や電気ショックなどの危険があります。

 

電気工事
電気工事の種類電気工事では、その場所や用途に合わせて様々な種類の配線工事を施工します。...

 

まとめ

低圧屋内幹線は、建物内で電力を分配するための重要な電気配線システムです。適切に設計され、適切に設置された低圧屋内幹線は、効率的で安全な電力分配を実現し、建物内の電気機器を保護します。電気工事の専門家によって設計および設置が行われることを強くお勧めします。

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