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漏電遮断器の設置基準

漏電遮断器

漏電遮断器の設置基準

今回は漏電遮断器について学習していきます。

漏電遮断器の設置基準

漏電遮断器は、電気の漏電を感知し、人や物を保護する重要な安全装置です。正しく設置されていない場合、漏電事故が発生する可能性があります。ここでは、漏電遮断器を設置する際の基準について解説します。

1. 適切な容量を選ぶ

漏電遮断器の容量は、使用する電気機器の合計容量に合わせて選ぶ必要があります。容量が小さすぎると、漏電を検知できず、容量が大きすぎると誤動作してしまう可能性があります。一般的には、使用する電気機器の合計容量の30%程度を目安に選ぶと良いでしょう。

2. 適切な場所に設置する

漏電遮断器は、電気の分岐点や配電盤に設置することが一般的です。また、湿気や水がかかる場所や直射日光が当たる場所には設置しないようにしましょう。漏電遮断器は、定期的な点検が必要なため、アクセスしやすい場所に設置することが望ましいです。

3. 適切な配線を行う

漏電遮断器は、電源を入れる前に配線を行う必要があります。漏電遮断器の入力側は、電源からの電気を受け取るためのものであり、出力側は、漏電を検知するためのものです。また、漏電遮断器の出力側からは、接地線を引く必要があります。配線には、適切なケーブルや端子を使用し、確実に固定することが重要です。

4. 正しく接続する

漏電遮断器は、正しく接続されていなければ機能しません。漏電遮断器には、入力側出力側があり、正しい方向に配線する必要があります。また、接続部分は、しっかりと締め付けることが必要です。接続が緩んでいる場合は、漏電遮断器が機能しなくなるため、定期的な点検が必要です。

5. 定期的な点検を行う

漏電遮断器は、定期的に点検することが重要です。点検項目としては、接続部分や配線の状態、漏電遮断器の動作確認などがあります。また、定期的な点検により、故障や劣化が早期に発見でき、事故を未然に防ぐことができます。

6. 専門家に依頼する

漏電遮断器の設置や点検には、専門知識や技術が必要です。自己判断での設置や点検は、事故や故障の原因となる場合があります。そのため、専門家に依頼することをおすすめします。

以上が、漏電遮断器を設置する際の基準についての解説でした。漏電遮断器は、電気事故を未然に防ぐために欠かせない安全装置です。正しく設置し、定期的な点検を行うことで、安心して電気を利用することができます。

7. 設置場所に注意する

漏電遮断器の設置場所にも注意が必要です。設置場所は、屋内屋外か、湿度の高い場所か、振動や衝撃が加わる場所かなど、使用環境によって適した場所が異なります。また、設置場所によって必要な漏電遮断器の種類や設置方法も異なるため、注意が必要です。

8. 使用目的に応じた適切な漏電遮断器を選ぶ

漏電遮断器には、使用目的に応じた適切な種類があります。例えば、住宅用の漏電遮断器は、電気ショックの危険がある場合に遮断するため、感度が高めに設定されています。一方、工場などの業務用途では、感度が低めであることが多く、大電流にも耐えられるように設計されています。使用目的に応じて適切な漏電遮断器を選ぶことが重要です。

以上が、「漏電遮断器の設置基準」についての解説でした。漏電遮断器は、電気事故を未然に防ぐために必要な安全装置です。設置時には、正しい方法で設置し、定期的な点検を行うことが大切です。また、設置場所や使用目的に応じた適切な漏電遮断器を選ぶことも重要です。

9. 適切な容量を選ぶ

漏電遮断器の容量は、接続する電気回路の容量に合わせて選ぶ必要があります。容量が不足している場合、電気回路の安全性が損なわれる可能性があります。一方、容量が過剰な場合は、コストの無駄になるだけでなく、正常な動作にも影響を与えることがあります。適切な容量を選ぶことで、安全かつ効率的な電気回路を実現することができます。

10. 他の安全装置と併用する

漏電遮断器は、他の安全装置と併用することで、より高い安全性を確保することができます。例えば、過電流保護装置と併用することで、漏電事故だけでなく、過電流事故にも対応することができます。また、アース線を適切に接続することで、漏電事故の発生を防止することができます。適切な安全装置の組み合わせにより、より高い安全性を確保することができます。

以上が、「漏電遮断器の設置基準」についての解説でした。漏電遮断器は、電気事故を未然に防ぐために欠かせない安全装置です。設置時には、適切な容量や設置場所、他の安全装置との組み合わせにも注意が必要です。正しい方法で設置し、定期的な点検を行うことで、より安全で快適な電気生活を送ることができます。

11. 設置・交換は専門家に依頼する

漏電遮断器の設置や交換は、電気工事士の有資格者に依頼することが法律で義務付けられています。自分で設置や交換を行うことは、電気事故や火災の原因になるだけでなく、法律違反にもなるため、絶対に行わないでください。

12. 定期的な点検を行う

漏電遮断器は、定期的な点検を行うことで、正常に動作しているかどうかを確認することができます。点検項目としては、動作試験や漏電動作試験、外観の確認などがあります。点検の頻度については、使用環境や設置場所、漏電遮断器の種類などによって異なります。また、定期点検だけでなく、異常が発生した場合には、速やかに対処することも重要です。

以上が、「漏電遮断器の設置基準」についての解説でした。漏電遮断器は、電気事故を未然に防ぐために欠かせない安全装置です。正しい方法で設置し、適切な点検を行うことで、より安全で快適な電気生活を送ることができます。

13. 緊急時の対応方法を知っておく

漏電遮断器は、電気事故を未然に防ぐための安全装置ですが、万が一の緊急時には、正しい対応方法を知っておくことが重要です。漏電事故が発生した場合には、まずは漏電遮断器の電源を切り、電気機器を使用しないようにします。その後、専門家に連絡し、適切な対応を行うようにしましょう。

14. マニュアルや取扱説明書を確認する

漏電遮断器の設置や点検については、マニュアルや取扱説明書に記載されている内容を確認することが重要です。また、漏電遮断器の種類によっては、適切な設置場所や容量などの条件が異なるため、正しい情報を入手することが必要です。

 

屋内幹線
低圧屋内幹線低圧屋内幹線は、建物内で電力を分配するための電気配線システムの一部であり、主に住宅や商業施設、工場などの建物で使用されます。低圧とは、一般的に1000V以下の電圧を指します。これに対し、高圧屋外幹線は、建物外の電柱や地中に敷設された電線で、通常1万V以上の高電圧を扱います。 低圧屋内幹線は、主に主幹線として機能します。つまり、送電側の配電盤からの電力を受け取り、建物内のサブパネルや各部屋のコンセントなどの電気機器に分配します。これらのサブパネルは、回路ブレーカーで保護されており、電力のオーバーロードやショートサーキットから建物内の電気機器を保護する役割を果たします。...

 

漏電遮断器の施設

漏電遮断器(ELCB:アース・リーケッジ・サーキット・ブレーカ)

低圧電路の絶縁が劣化して漏電電流が流れたときに、それを感知して電路を遮断するのが漏電遮断器です。漏電遮断器は零相変流器(ZCT)を内蔵して地絡電流の発生を感知します。また、漏電引き外し機構の動作が確認できるように、テストボタンが備わっています。

漏電遮断器は、金属製外箱を有する使用電圧が60Vを超える機械器具に接続する電路に施設しなければなりません。

漏電遮断器(ELCB)
漏電遮断器

漏電遮断器の施設を省略できる場合

低圧の機械機器を以下のいずれかの要件に適合するように施設する場合には漏電遮断器の施設を省略できます。接地が省略できるケースと一致する条件がいくつかあります。

①機械器具を乾燥した場所に施設する場合

対地電圧が150V以下の機械器具を水気のある場所以外に施設する場合

③機械器具に施されたC種接地工事またはD種接地工事の接地抵抗値が3Ω以下の場合

電気用品安全法適用の二重絶縁構造の機械器具の場合

⑤機械器具を絶縁物で被覆してある場合

機械器具内に漏電遮断器を取り付け、電源引き出し部が損傷を受けるおそれがないように施設する場合

単相3線中性線欠相保護付漏電遮断器

単相3線式配電では、中性線が遮断されると負荷の電圧の平衡が崩れ、中性線の両側につながっている機器に過電流が流れて機器を焼損してしまうおそれがある。漏電遮断器は、出ている電線を中性線につないでおくと、中性線が切れたときに電路を遮断する機能を備えている。

単相3線中性線欠相保護付漏電遮断器

 

過電流遮断器
過電流遮断器過電流遮断器は、電気回路の過電流を検知し、回路を切断することで、電気火災やショートを防止する安全装置の一つです。 過電流遮断器とは何ですか? 過電流遮断器は、電気回路において設置される安全装置の一つです。電気回路に過電流が流れると、遮断器は検知し、回路を自動的に切断します。これにより、電気火災やショートなどの危険を回避することができます。...

 

15. まとめ

以上が、「漏電遮断器の設置基準」についての解説でした。漏電遮断器は、電気事故を未然に防ぐために欠かせない安全装置です。設置や交換は専門家に依頼し、適切な点検を定期的に行うことで、より安全で快適な電気生活を送ることができます。

金属外箱を有する使用電圧60Vを超える機械器具に接続する電路に施設

②電路に地絡が生じたときに自動的に電路を遮断する

③機械器具を乾燥した場所に施設する場合は省略可能

④対地電圧150V以下の器具を水気のない場所に施設する場合も省略可

今回は漏電遮断器の施設について学習しました。第1種電気工事士の試験では必須の項目となりますので、よく覚えておくようにしましょう!

 

16. 参考文献

最後に、漏電遮断器に関する参考文献を紹介します。より詳細な情報を知りたい場合には、以下の文献を参考にしてください。

  • 「漏電遮断器の設置について」(電気事業連合会)
  • 「住宅の電気工事における漏電遮断器の取り扱いについて」(建設省)
  • 「漏電遮断器の選定と設置」(電気工事業協会)
  • 「漏電遮断器の点検・保守管理について」(電気工事業協会)

これらの文献には、漏電遮断器の設置方法や点検項目、注意事項などが詳細に記載されています。漏電遮断器を正しく取り扱うために、参考にしてみてください。

17. おわりに

今回は、「漏電遮断器の設置基準」についての解説を行いました。漏電遮断器は、電気事故を未然に防ぐために欠かせない安全装置であり、正しい設置方法や点検を行うことが重要です。初心者でも理解しやすいように、基本的な内容をまとめてみましたので、参考にしてみてください。

18. 補足:漏電遮断器とは

漏電遮断器とは、漏電を検知し、電源を切ることで電気事故を防止する安全装置です。漏電とは、電気機器の絶縁が不十分な状態で電流が漏れることを指します。この漏電が続くと、人体に危害を及ぼす電気事故が発生する可能性があります。

漏電遮断器は、漏電電流が一定値を超えると自動的に電源を切ることで、漏電による電気事故を未然に防ぐことができます。特に、水回りや屋外など、絶縁状態の悪い場所においては、漏電遮断器の設置が必要不可欠です。

19. 補足:漏電遮断器の種類

漏電遮断器には、主に以下の2種類があります。

  • 前面差動型漏電遮断器
  • 逆接差動型漏電遮断器

前面差動型漏電遮断器は、配電盤の前面に設置することで、漏電を検知し、電源を切ることができます。逆接差動型漏電遮断器は、電気機器と漏電遮断器の間に設置することで、電気機器の漏電を検知し、電源を切ることができます。逆接差動型漏電遮断器は、個別の電気機器に設置することができるため、特定の機器に異常があった場合には、その機器だけを停止することができます。

どちらの漏電遮断器を選択するかは、設置場所や用途によって異なるため、専門家に相談することが望ましいです。また、漏電遮断器には、分岐回路ごとに設置する分岐型のほか、全回路に設置する全回路型など、さまざまな種類があります。適切な種類の漏電遮断器を選択することも、重要なポイントの一つです。

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