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電動機の出力

電動機の出力

電動機は、電力を機械的な動力に変換する装置です。電動機の出力は、機械に必要な動力の大きさを表します。ここでは、電動機の出力について、初心者にもわかりやすく説明します。

電動機の出力の単位

電動機の出力は、単位はワット (W) またはキロワット (kW) で表されます。1キロワットは1000ワットに相当します。

電動機の出力の計算方法

電動機の出力は、次の式で計算できます。

scss
出力 (kW) = トルク (N・m) × 回転数 (rpm) ÷ 9550

ここで、トルク電動機が発生させる力の大きさを表し、回転数電動機が1分間に回転する回数を表します。9550は、ワットと馬力 (HP) の換算係数であり、1HPは約0.75kWに相当します。

電動機の出力の種類

電動機の出力には、継続出力瞬間最大出力の2種類があります。

継続出力

継続出力は、長時間にわたって持続的に発生できる出力のことです。電動機は、定格出力 (Rated output) と呼ばれる継続出力を持っています。定格出力は、電動機が長時間運転することができる最大出力です。

瞬間最大出力

瞬間最大出力は、電動機が一瞬だけ発生できる最大出力のことです。瞬間最大出力は、起動時や急速な加速時に必要となる出力です。

 

電動機
三相誘導電動機の基本特性三相誘導電動機は、図1に示すような構造を持っています。機械的な部分は回転子と定子の2つの部分で構成され、電気的な部分はステータとロータの2つの部分で構成されます。 ステータには、3つの巻線があり、それぞれに交流電源からの電流が流れます。この電流により、ステータには交流磁界が生じ、この磁界によって回転子に力が伝わります。回転子には導体があり、これが回転することで電気エネルギーが機械エネルギーに変換されます。...

 

電動機の出力の選び方

電動機の出力は、使用する機械の動力要件に合わせて選ばなければなりません。機械の動力要件は、トルクや回転数などから求められます。また、瞬間最大出力が必要な場合は、その出力も考慮する必要があります。

以上が、電動機の出力についての基本的な説明です。電動機の出力を選ぶ際には、以下に、電動機の出力を選ぶ際の具体的なポイントを紹介します。

機械の動力要件の計算

まずは、使用する機械の動力要件を計算しましょう。機械の動力要件は、使用する機械のトルクや回転数から求められます。トルクや回転数がわからない場合は、機械の取扱説明書やメーカーに問い合わせてください。

電動機の定格出力の確認

次に、電動機の定格出力を確認します。定格出力は、電動機が長時間運転することができる最大出力です。使用する機械の動力要件を満たす定格出力の電動機を選びます。

瞬間最大出力の確認

使用する機械によっては、瞬間最大出力が必要となる場合があります。例えば、起動時や急速な加速時には、瞬間的に大きな出力が必要となります。その場合は、瞬間最大出力を考慮して電動機を選びます。

余裕を持たせる

最後に、予期せぬトラブルや機械の負荷増加に備えて、余裕を持たせることが重要です。定格出力の電動機を選ぶ場合は、定格出力の1.2倍程度の出力を持つ電動機を選ぶと安心です。

以上が、電動機の出力を選ぶ際のポイントです。適切な電動機を選ぶことで、効率的な動力伝達が実現できます。

次に、電動機の出力について深く掘り下げて説明していきます。

電動機の出力とは何か

電動機の出力とは、電力を動力に変換する能力のことを指します。電動機にかかる負荷に応じて、電動機が発生するトルクと回転数が変化します。これらの変化に伴って、電動機が発生する出力も変化します。

出力の単位

電動機の出力は、一般的にワット(W)またはキロワット(kW)で表されます。また、馬力(HP)という単位で表されることもあります。1 HPは、約746 Wに相当します。

定格出力と瞬間最大出力

電動機には、定格出力瞬間最大出力という2つの出力値があります。定格出力は、長時間運転することができる最大出力です。瞬間最大出力は、短時間で発生する最大出力です。起動時や急速な加速時には、瞬間最大出力が必要となることがあります。

効率の良い電動機の選び方

効率の良い電動機を選ぶには、適切な出力を選ぶことが重要です。出力が小さすぎると負荷に対して十分なトルクや回転数を発生できず、出力が大きすぎると余分な電力を消費することになります。適切な出力を選ぶことで、電動機の効率を最大化し、省エネにつなげることができます。

以上が、電動機の出力についての説明です。適切な出力の選び方を理解し、効率の良い電動機を選ぶことで、様々な機械の動力に応えることができます。

最後に、電動機の出力に関する注意点をいくつか紹介します。

過負荷保護

電動機には、過負荷保護機能が備わっていることがあります。これは、電動機が過負荷になった場合に自動的に電源を切る機能です。過負荷になる原因は、機械の負荷が大きすぎる、または電動機の能力を超えるような短時間の過負荷がかかった場合です。過負荷保護機能は、電動機の故障を防ぐためにも重要な機能です。

定期的な点検・メンテナンス

電動機は、定期的な点検・メンテナンスが必要です。特に、電動機の動作に問題がある場合は、すぐに点検・修理を行うことが重要です。また、適切な点検・メンテナンスを行うことで、電動機の寿命を延ばすことができます。

電動機の選定には専門知識が必要

電動機の選定には、専門知識が必要です。負荷に応じた適切な出力や、回転数、電源の適合などを考慮して選定する必要があります。また、選定した電動機を適切に設置することも重要です。

以上が、電動機の出力に関する注意点です。電動機は様々な分野で活躍する重要な装置です。出力や効率など、基本的な知識を押さえて、正しく選定・運用することが求められます。

 

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電動機の所要出力

揚水ポンプ用電動機の所要出力

電動機を使って水を汲み上げるときには、状況に応じてどれくらいの出力をもつ電動機が必要かを検討する必要があります。目的に合う電動機出力が「所要出力」です。重要なことですから覚えましょう。

 

巻上機用電動機の所要出力

電動機で物を持ち上げるときの、目的に合う電動機出力を求める方法を覚えましょう。

 

送風機用電動機の所要出力

電動機で送風する場合の所要出力は、風圧と風量をかけて求められます。式の中に揚水ポンプや巻上機のときのような重力加速度がないのは、風圧の単位Paに9.8が含まれるからです

 

まとめ

①電動機の所要出力は、重力加速度9.8をかけて効率ηで割る

②揚水ポンプの所要出力は、揚水量Qと全揚程Hを乗じる

③巻上機の所要出力は、巻上げ荷重wと巻上げ速度を乗じる

④送風機の所用出力は、風量qと風圧hを乗じる

今回は電動機の所要出力について学習しました。第1種電気工事士の試験には必須の項目となりますのでよく理解しておきましょう!

 

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