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高圧受電設備の主遮断装置のしくみ

高圧遮断器

高圧受電設備の主遮断装置のしくみ

今回は高圧受電設備の主遮断装置のしくみについて学んでいきます。

主遮断装置のしくみ

主遮断装置の違いによる分類

受電設備側の故障や損傷で高圧電路に短絡電流が流れたときに、設備の安全を確保するために電路を遮断するのが主遮断装置です。

主遮断装置には、高圧交流遮断器あるいは限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器のどちらかを用います。どちらかを用いるかで、CB形PF・S形の2種類に分類されます。

主遮断装置の役目は、次の2つです。

①短絡(ショート)電流発生時に電路を遮断して負荷回路を保護する

②設備の点検・保守時に電路を遮断する

 

高圧受電設備
高圧受電設備とは何か電気事業者(電気を供給する企業や団体)から需要家(電気の供給を受ける側)が電気の供給を受ける場合は、大電力になるほど太い電線での引き込みが必要になるため、使う電力が大きい場合には、供給電圧をあげて細い電線で引き込めるようにします。 一般的には契約電力が50kW未満の場合は低圧(100Vや200V)で受電し、50kW以上を必要とする場合は高圧(6600V)で受電することになります(さらに2000kW以上では特別高圧での受電)。 そこで高圧で受電する施設では、構内で電灯や動力設備などさまざまな低圧電気機器を使うため、受電した高圧電気を低圧に変成して構内に配電する設備が必要になります。この変成のための設備が「高圧受電設備」です。...

 

高圧交流遮断器(CB)

併設する過電流継電器が短絡電流や過電流を検出すると本機の接点が作動して電路を遮断する。

設備容量の大小にかかわらず使える。

高圧交流遮断器

限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF付LBS)

短絡電流が発生すると限流ヒューズが溶断して、ストライカ引外し機構が働いて三相す

べての電路を遮断する。キュービクルなど小容量の設備に用いられる。

主遮断装置のしくみと特徴

高圧交流遮断器

大容量設備から小容量まで幅広く使われる主遮断装置用の機器です。短絡電流および過電流の発生を併設の過電流継電器で検知してトリップコイルを作動させ、遮断器を開きます。

なお、高圧電流が流れているときに電路を切ると、電流は流れつづけようといして火花(アーク)を発生するので、遮断器はこの火花を消す(アークの消弧)ための対策が必要になります。高圧交流遮断器では、アークが持続しにくいように真空バルブ内に接点を格納した真空遮断器が一般的に使われます。

限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF付LBS)

高圧交流負荷開閉器高圧限流ヒューズを装着して使用するものです。短絡電流が発生すると限流ヒューズが溶断して電路を遮断しますが、溶断と同時に表示棒が飛び出し、開閉器の接点引外し機構を作動させて三相すべての電路を遮断します。

PF付LBSを主遮断器として使用する場合には、以下の要件が定められています。

相間および側面には絶縁バリアが取り付けてあるものであること

高圧限流ヒューズ溶断時のアークが他相に影響を与えないようにする。

ストライカによる引外し方式のものであること

一相の限流ヒューズの溶断で三相すべてを遮断し、欠相運転を防ぐ

 

電工
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まとめ

①主遮断装置は短絡電流・過電流発生時に電路を自動遮断する。

②CBは過電流継電器などを併設して接点を開閉させる

③PF付LBSの相間および側面には絶縁バリアを設ける

④PF付LBSは、ストライカによる引外し方式とする

今回は主遮断装置のしくみについて学習しました。第一種電気工事士の試験には必須の項目となりますのでよく理解しとくようにしましょう!

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