消防設備士

差動式分布型感知器

作動式分布型感知器

今回は作動式分布型感知器について学習していきます。

作動式分布型感知器

定義としては「周囲の温度の上昇率が一定の率以上になった時に火災信号を発信するもので、広範囲の熱効果の累積によって作動するもの」となっており、空気感式、熱電対式、熱半導体式があります。

空気感式

これは、空気感という銅製のパイプを天井に張り巡らし(すなわち分布させ)、広範囲の温度変化により火災を感知する方式です。

 

原理としては、先ほどの作動式スポット型の空気膨張式の空気室を長いパイプに置き換えたものと思えば良いでしょう(熱で空気管内の空気が膨張→ダイヤフラムを押し上げ接点を閉じる。リーク孔の働きも同じ)。

空気管式のしくみ

熱電対式

これもスポット型の熱起電力を利用したものと同じく、熱電対のゼーベック効果を利用したものです。熱電対を一定の面積ごとに天井面に分布させ、火災によって急激に温度が上昇すると熱電対に発生した熱起電力(直流)によってメーターリレー、またはSCR(電子制御素子)が作動し、火災信号を発報(受信機に送信)します。

暖房などの緩やかな温度上昇においては、熱起電力が小さいので作動しません。なお、感度は空気感式と同じです。

熱電対式のしくみ

熱半導体式

これは半導体という物質を利用したものです。

半導体というのは、温度が上昇するにつれて電気抵抗が小さくなる物質をいうのですが(普通の金属は、温度上昇とともに電気抵抗も上昇します)、これを利用した熱半導体素子を一定面積ごとに天井面に分布させたものです。

これもゼーベック効果を利用したもので、火災によって受熱板の温度が上昇すると熱半導体素子に温度差が生じて熱起電力を生じ、メーターリレーのコイルに電流が流れて接点が閉じ、火災信号を発報します。

つまり、熱電対式の熱電対を熱半導体素子に変えただけで、動作はほとんど同じです。

まとめ

・作動式分布型の定義

周囲の温度の上昇率が一定の率以上になった時に火災信号を発信するもので、広範囲の熱効果の累積によって作動するもの」

今回は作動式分布型感知器について学習しました。消防設備士甲4類の試験には必須の項目となりますので、よく覚えておきましょう!

 

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