消防設備士

熱感知器

差動式スポット型感知器

今回は熱感知器について学習していきます。

熱感知器

差動式

作動式とは、感知器の周囲の温度が上昇するとき、その上昇する割合がある一定の値以上になったときに作動する方式の感知器です。

例えば、スポット型の1種の場合、「1分間で室温が10度高くなるような状態が続いたとき、4分半以内で作動しなければならない」というような具合です。(温度差で動くから作動式と言います。)

その作動式にはスポット型分布型があります。

スポット型というのはスポットという名前が示す通り、ある部分のみの熱の変化を感知する方式で、それとは反対に分布型というのは、広範囲の熱の変化を感知して作動する方式のことを言います。

作動式スポット型感知器

定義としては、「周囲の温度の上昇率がいっての率以上になった時に火災信号を発信するもので、一局所の熱効果によって作動するもの」となります。

このスポット型には、空気の膨張を利用したものと、温度検知素子を利用したもの、および熱起電力を利用したものがあります。

差動式スポット型感知器

空気の膨張を利用したもの

配線の一方を本体に固定した接点に接続し、もう一方の配線はダイヤフラムという膨張収縮可能な膜に設けた接点に接続したものです。

火災が発生すると空気室内の空気が暖められて膨張し、ダイヤフラムが押し上げられます。そして接点が接触すると回路を閉じて火災信号を受信機に送り、火災の発生を知らせる、というものです(空気室に亀裂が発生した場合は遅報不作動凹みが発生すると非火災報となる可能性があります。)

リーク孔について

この穴は火災ではない緩やかな温度上昇(暖房の熱など)があった場合、誤作動を防止するため、その空気の膨張分を逃すための穴です。こうしておくと、日常定期な温度上昇があっても「接点を閉じて誤った信号を送る」というような誤作動を防ぐことができるのです。

逆に、火災時には温度の上昇が急激なため、空気の膨張分をリーク孔から逃がしきれずにダイヤフラムを押し上げ、接点を閉じて火災信号を発砲する、という仕組みになっています。

内部構造

温度検知阻止を利用したもの

温度が変化すると、その抵抗値が変化するという半導体を利用して温度上昇を検出するもので、温度上昇の割合が一定以上になると検出回路がそれを検出し、スイッチング回路を働かせて火災信号を受信機へ送る、という仕組みになっています。

暖房などの緩やかな温度上昇に対しては検出回路が働かないようになっています。

熱起電力を利用したもの

これは、ゼーベック効果による熱起電力を利用するものです。

ゼーベック効果というのは、鉄とコンスタンタンのような異なる金属の両端をお互いに接触させておいて(この状態のものを「熱電対」と言います)その接点間に温度差を与えると両金属間に起電力が生じるという現象です。このうち、温度が高くなる方の接点を温接点、低くなる方を冷接点を言います。

つまり、火災によって熱電対(正式には半導体熱電対という)の温接点が高温になると、冷接点との温度差によって起電力が生じ、リレーのコイルに電力が流れて接点が閉じ発報する、という仕組みになっています。

 

消防設備士イラスト
消防設備士制度今回は消防設備士制度について学習していきたいと思います。 消防設備士制度 消防設備士の業務独占 消防用設備等または特殊消防用設備等...