今回は定温式について学習していきます。
定温式
定義としては、「一局所の周囲温度が一定の温度以上になった時に火災信号を発信するもの」で、外観が電線状のものを感知線型といい、それ以外をスポット型といいます。
定温式スポット型感知器
これには、バイメタルという温度の変化によってたわむ性質の金属を利用したものと、金属の膨張率の差を利用したもの、および半導体を利用したものなどがあります。
ここではバイメタル式と金属の膨張式を説明します。
バイメタル式
バイメタルというのは、膨張率が著しく異なる2枚の金属板を張り合わせたもので、火災によって温度が上昇すると、金属の膨張率の差によってそのバイメタルが大きくたわみ、接点を閉じて火災信号を発報します。
バイメタルを使ったものにはこのほか、円型のものもあります。この場合、バイメタルは温度上昇によって反転し(上に反り返り)、接点を押し上げます。
金属の膨張式
外筒に膨張率の大きい金属(高膨張金属)を用い、内部金属板には膨張率の小さい金属(低膨張金属)を用いたものです。
火災によって温度が上昇すると外筒のほうが大きく膨張し、その結果、接点同士が接近して閉じ、火災信号を発報します。
定温式感知線型感知器
絶縁物で被覆されたピアノ線をより合わせただけのもので、火災によってその絶縁物が溶けるとピアノ線が短絡して警報を発します。この感知器は、一度作動すると再使用することができない構造となっています。
☆なお、定温式感知器の公称作動温度(感知器が火災を感知する温度)は、60℃から150℃までであり、60℃から80℃までは5℃ごとに、80℃から150℃までは10℃ごとに設定値があります。
まとめ
・「一局所の周囲温度が一定の温度以上になった時に火災信号を発信するもの」
・外観が電線状のものを感知線型、それ以外をスポット型
・バイメタルという温度の変化によってたわむ性質の金属
今回は定温式について学習しました。消防設備士甲4類の試験には必須の項目となりますので、しっかり覚えましょう!