今回は消防関係法令について学習していきます。
消防関係法令
関係法令の分類
消防設備士に関係する法令及びその構成は次のようになっています。
このうち、政令や省令というのは消防法の内容をさらに具体的にな細則として定めたものです。
用語について
①防火対象物と消防対象物
この両者は同じ文言なので、注意するようにして下さい。
(ア)防火対象物
山林または船車、船きょ若しくはふ頭に繁留された船舶、建築物その他の工作物若しくはこれらに属する物をいう。
(イ)消防対象物
山林または船車、船きょ若しくはふ頭に蘩留された船舶、建築物その他の工作物または物件をいう。
②特定防火対象物
デパートや劇場など、不特定多数のものが出入りする防火対象物で、火災が発生した場合には、より人命は危険にさらされたり延焼が拡大する恐れの大きいものをいいます。
大勢の人が利用する施設であっても次の防火対象物は特定防火対象物には該当しないので、注意して下さい。
5項ロ:寄宿舎、下宿、共同住宅
7項 :学校(小、中、高、大学、専修大学など)
8項 :図書館、博物館、美術館
9項ロ:公衆浴場(蒸気浴場、熱気浴場以外)
なお、「特定用途」は特定用途そのものをいうことに対して、「特定防火対象物」はその特定用途が存する防火対象物のことをいいます。
③特定1階段等防火対象物
避難がしにくい地下階または3階以上の階に特定用途部分があり、屋内階段が一つしかない建物のことをいいます。これは、屋内階段が一つしかない場合は、火災時にその屋内階段が煙突となって延焼経路となるので、その階段を使って避難ができなくなる可能性が高くなるため、そのような建物を面積に関係なく特定1階段等防火対象物として指定したわけです。
なお、煙突になっても延焼経路となるのは屋内階段の場合なので、たとえ階段が1つであっても、屋外階段や特定避難階段(火や煙が入らないようにした避難階段)の場合は、この特定1階段等防火対象物には該当しません。
④複合用途防火対象物
法令で定める2以上の用途に供される防火対象物のことで、いわゆる「雑居ビル」のことをいいます。
この雑居ビルに、1つでも映画館や飲食店などの特定用途に供する部分があれば、16項イの特定防火対象物となり、逆に、まったくなければ16項ロの非特定防火対象物となるので、注意して下さい。
⑤関係者(関係者には防火管理者を含まないので注意!)
防火対象物または消防対象物の所有者、管理者または占領者のことをいいます。
⑥無窓階
建築物の地上階のうち、避難上または消化活動上有効な開口部が一定の基準に達してない階のことをいいます。(「窓がない階」のことではない)
⑦高層建築物
高さ31メートルを超える建築物のこと。
⑧主要構造物
建築基準法では、「壁・柱・梁・屋根・階段」のことで、間仕切りの壁や最下階の床などは含まれません。
⑨特殊消防用設備等
通常用いられる消防用設備などに代えて同等以上の性能を有する新しい技術を用いた特殊な消防用設備などのこと。
⑩地下街と準地下街
地下街が「地下道を介して複数の店舗若しくはそれらに類するもので構成されているもの」に対して、準地下街は「建築物の地階部分」が連続して地下道に面して設けられていて、あたかも地下街のように見えるその「建築物の地階部分と地下道を合わせたもの」をいいます。
まとめ
今回は消防関係法令の用語について学習しました。消防設備士の試験では必須の項目となるので、よく理解しておきましょう!