〜電気工事士がやさしく解説〜
こんにちは!私は現場で働く電気工事士です。今回は、「送電系統の中性線接地方式」という少し専門的なテーマを、できるだけやさしく、実際の現場イメージも交えて解説していきます。

📘そもそも「中性線」ってなに?
中性線とは、三相交流の配線において電圧バランスを保つために使われる線で、主に以下のような役割があります。
各相の電圧の基準点(ゼロボルト)になる
単相負荷(家庭の電気機器など)へ電力を供給する際のリターン経路
過電圧や不平衡を抑える
三相4線式の低圧配電では、3本の電線(R相、S相、T相)に加えて中性線(N)が1本設けられています。
⚠️なぜ中性線を「接地」するの?
✅接地の目的:
感電防止
→ 機器の金属部分に漏電しても、接地しておくことで電流が地面に流れ、人に流れにくくなります。設備保護
→ 異常電圧(雷など)を地面に逃すことで、機器を守ることができます。電圧の安定化
→ 中性点を接地することで、電圧が安定し、不平衡を補正できます。
🔧送電系統での接地方式の種類
送電系統の中性線接地には、いくつかの方式があります。ここでは代表的な3つを紹介します。
| 接地方式 | 特徴 | 用途例 |
|---|---|---|
| 🔹直接接地方式 | 中性点を地面と直接つなぐ | 一般的な配電線や家庭向け |
| 🔸高抵抗接地方式 | 抵抗器を介して中性点を接地 | 工場・データセンターなど |
| 🔺非接地方式 | 接地しない(絶縁状態) | 特定の産業設備や特殊用途 |
🔹1. 直接接地方式(Direct Grounding)
<small>※ 中性線がそのまま地面に接続されているイメージ図</small>
特徴:
最も一般的な方式
地絡電流(漏電時の電流)が大きくなるが、保護機器で検出しやすい
配電網(6600Vや100V〜200V)で広く使われている
メリット:
保護がシンプル
安全性が高い
デメリット:
地絡時に瞬時停電しやすい
🔸2. 高抵抗接地方式(High Resistance Grounding)
<small>※ 抵抗器を介して地面とつながっているイメージ</small>
特徴:
接地抵抗(数百Ω〜数千Ω)を設けることで、地絡電流を抑える
主に大規模工場や重要設備(医療・通信)で使われる
メリット:
地絡が発生しても、即停電しない(運転継続が可能)
電圧のバランスを監視できる
デメリット:
専用設備が必要でコストが高い
保守や検出がやや難しい
🔺3. 非接地方式(Ungrounded System)
<small>※ 地面とつながっていない絶縁状態</small>
特徴:
中性点を地面とつながない
一部の特殊設備や古い送電設備で使われている
メリット:
一回の地絡では停電しない
漏電検知が難しく、使い方を間違えると危険
デメリット:
2回目の地絡で短絡事故になる可能性あり
電圧が不安定になりやすい
🏭現場での使用例
1. 一般住宅
方式:直接接地方式
地中にアース棒を打ち込み、中性点と地面を直結。
地絡が起きたら漏電ブレーカーで即遮断。
2. 工場
方式:高抵抗接地方式
生産設備を止めないため、地絡があっても運転継続が可能。
3. 特殊機械室や鉱山
方式:非接地方式
誤作動を避けるため、漏電検出を強化しつつ非接地を採用。
👷♀️まとめ:現場目線で考える中性線接地
私たち電気工事士の現場では、「接地」がとても大事なテーマです。正しい接地がされていないと、命の危険すらあります。
送電系統では、その用途や重要性に応じて適切な中性線接地方式を選ぶ必要があります。安全・安定・効率のバランスを取るのがプロの仕事です。
📝補足:送電系統の図イメージ
📸電気工事士の現場イメージ
<small>※ キュービクル内で点検作業中の女性工事士のイメージ</small>
💬さいごに
送電系統の中性線接地方式は、普段あまり意識されることはありませんが、電気の安全と安定供給の“縁の下の力持ち”なんです。
初心者の方でも、家のブレーカーやアース端子を見たとき、「あれって接地なんだな」と少しでも思い出していただければうれしいです😊

























