電気工事士

高圧電路を開閉する機器①

負荷開閉器

高圧電路を開閉する機器①

今回は高圧電路を開閉する機器について学習します。

高圧電路を開閉する機器

3つの重要機器(負荷開閉器、断路器、遮断器)

高圧受電設備には、電路の各所に必要に応じて電路を開閉するための機器が施設されます。それぞれの役割をしっかり覚えましょう。

負荷開閉器・・・負荷電流が流れた状態でも電路を遮断できる開閉器です。一般送電事業者と需要家との責任分界点(受電点)に施設される区分開閉器と、負荷側電路の分岐点に施設される負荷開閉器の2か所に施設されます。

断路器・・・設備の点検検査の際に電路を切るための機器です。アーク消弧機能がないので、負荷電流が流れている状態で接点を操作することはできません。

遮断器・・・負荷側の事故や損傷で異常な電流が流れたときに、電路を自動遮断する保護装置です。大電流をすみやかに遮断できる遮断容量をもち、主遮断装置である高圧交流遮断器と、負荷回路の幹線に施設する配線用遮断器が該当します。

受電点に施設する区分開閉器と制御装置

区分開閉器には高圧交流負荷開閉器を使用し、地絡遮断装置を併設します。試験では、単線図や複線図から柱上気中開閉器の写真や役割を問う問題や、地絡遮断装置の図記号や短絡電流の方向性判定機能の有無を問う問題がよく出題されます。

地絡方向継電装置付高圧交流負荷開閉器(DGR付PAS)

一般送電事業者と需要家の責任分界点に施設される柱上気中開閉器。箱の中に高圧交流負荷開閉器が収められていて、併設される地絡方向継電器で地絡を検知して開閉器の接点を電磁装置で解放します。地絡方向継電器は零相変流器零相基準入力装置の出力を使って、自構内で発生した地絡でのみ作動する。

地絡方向継電器付高圧交流負荷開閉器

地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)

地絡電流の向きが検知できない無方向の地絡継電器を設置したもの。引込線の長さがそれほど長くならない施設に採用される。負荷側の引込線のこう長が長い場合には、電源側で発生した地絡でも不必要に作動してしまい、もらい事故を起こすおそれがある。

受電設備内に施設する断路器と遮断器

断路器

設備の点検や修理を行うときに高圧電路の開閉を行う機器。アーク消弧の機能がないので、電流が流れているときの開閉は行えない。そのため、開閉操作の際には、必ず先に遮断路を開いておいて、無負荷状態にした後で開閉を行わなければいけない。開閉操作は、高圧絶縁ゴム手袋を着用して操作棒で開閉する。

断路器

まとめ

①地絡方向継電装置は電源側で発生した地絡では開閉器を動作させない

②検査・点検時に電路を遮断する断路器は、無負荷状態で開閉操作を行う

今回は高圧電路を開閉する機器について学習しました。次回も高圧電路を開閉する機器について学んでいきたいと思います。

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