防火区画貫通処理とは?初心者向け解説
こんにちは!電気工事士のたかひろです。今回は、電気工事や建築工事で非常に重要なトピック「防火区画貫通処理」について解説します。この処理は、建物の安全性を高めるために欠かせないものです。初心者の方にも分かりやすいように、基本的な内容から具体的な手順まで丁寧に説明します。

防火区画とは?
まずは、防火区画について知ることが重要です。建物には火災時の延焼を防ぐために「防火区画」というエリアが設けられています。防火区画とは、以下のような特徴を持つ建築物の一部です。
- 耐火性のある壁や床で囲まれている
- 火災の煙や炎が隣接エリアに広がらないよう設計されている
例えば、ビルの階段室やエレベーターシャフトは、防火区画として特に注意が払われる場所です。
防火区画の役割
防火区画があることで、火災が発生した際に以下のようなメリットがあります:
- 火災の拡大を遅らせ、避難時間を確保する
- 消防活動を円滑にする
- 財産や設備の損害を最小限に抑える
防火区画は特に高層建築や病院、商業施設など、人が多く集まる場所でその重要性が際立ちます。火災の初期段階での延焼を防ぐことで、建物全体の安全性を大幅に向上させることができます。
貫通部とは?
防火区画を形成する壁や床には、電気配線や配管、ダクトなどを通すための「貫通部」が必要です。この貫通部が適切に処理されていないと、火災時に以下のリスクが発生します。
- 火や煙が貫通部を通じて隣接エリアに広がる
- 防火区画としての性能が損なわれる
特に煙は、人命に直結する危険因子であり、早い段階での抑制が必要です。そのため、防火区画貫通処理が非常に重要となります。

防火区画貫通処理の基本
防火区画貫通処理とは、貫通部を防火材料で塞ぎ、防火区画としての性能を維持することを指します。この処理には、建築基準法や消防法などの規定が関わっており、違反すると大きな問題となります。
使用される防火材料
以下のような防火材料が一般的に使用されます:
- 防火シール材(シーラント)
- ゴムや樹脂ベースで、柔軟性と耐火性を持つ
- 防火スリーブ
- 金属や耐火性のプラスチックでできた筒状の部材
- 防火パテ
- 壁や床の小さな隙間を埋めるのに適している
- 防火モルタル
- 大規模な開口部を塞ぐのに使用される耐火性の高い材料
これらの材料は、火災時の高温に耐え、煙や炎を通さないよう設計されています。適切な材料を選ぶことは、安全な施工の第一歩です。
貫通処理の手順
ここでは、防火区画貫通処理の基本的な手順を説明します。
1. 施工箇所の確認
まず、貫通部がどこにあるかを確認します。設計図面をチェックし、以下のポイントを把握します。
- 貫通部の位置
- 開口部のサイズ
- 通過する配線や配管の種類
また、施工前に現場での事前調査を行い、既存の防火区画や周辺環境との整合性を確認します。
2. 防火材料の選定
次に、使用する防火材料を選びます。以下を基準に選定します:
- 貫通部の形状とサイズ
- 通過物の種類と数
- 規定されている耐火性能(例:1時間耐火、2時間耐火)
メーカーのカタログや施工基準書を参考にしながら、現場に最適な材料を選定することが重要です。
3. 開口部の加工
貫通部の開口部を必要なサイズに加工します。この際、過剰な削り込みを避けることが重要です。
特に、耐火性を損なわないためには、開口部のエッジ部分を滑らかに仕上げることが求められます。また、貫通する配管やケーブルがしっかり固定されていることを確認します。
4. 防火材料の適用
選定した防火材料を使用して、貫通部を処理します。
- シーラントやパテを使用する場合:
- 開口部と配線・配管の隙間を完全に埋める
- 必要に応じてヘラなどの工具を使い、均一に塗布する
- スリーブを使用する場合:

5. 仕上げと確認
最後に、施工箇所を確認し、防火性能が確保されていることを確認します。
- 隙間がないか
- 材料が均一に塗布されているか
- 規定の耐火性能を満たしているか
また、施工後の写真を記録として残すことで、後日確認が必要な場合にも対応できます。
実際の現場での注意点
現場で防火区画貫通処理を行う際には、以下の点に注意してください。
- 適切な材料の使用
- メーカー指定の材料を使用することで、規定の性能を確保します。
- 施工手順の遵守
- 防火性能を損なわないため、規定された施工手順を守りましょう。
- 定期的な点検
- 施工後も、定期的に点検して劣化や不備がないか確認します。
さらに、作業時には安全管理にも注意が必要です。高所作業や狭所作業が伴う場合は、適切な装備を使用し、十分な安全対策を講じましょう。
防火区画貫通処理の最新トレンド
ここでは、防火区画貫通処理における最新の技術や製品について紹介します。
1. 高性能防火シール材
近年、従来の材料に比べて、より高い耐火性や施工の簡便性を備えた防火シール材が開発されています。例えば、特殊な配合により、施工後の硬化速度が速く、作業効率が向上する製品があります。
2. 環境に配慮した材料
環境負荷を低減するため、揮発性有機化合物(VOC)の排出を抑えた防火材料も登場しています。これにより、施工者の健康リスクも軽減されます。
3. 自己修復型材料
自己修復型の防火シール材も注目されています。これらの材料は、物理的な損傷を受けても自動的に修復する特性を持ち、防火性能を長期間維持します。
トラブルシューティング
防火区画貫通処理の施工中や施工後に起こり得るトラブルとその解決策を紹介します。
問題例 1: 隙間が埋まらない
原因:
- 材料の選定ミス
- 適切な施工手順が守られていない
解決策:
- 使用する材料が適切か確認し、必要に応じて変更する
- 指定された施工手順を再確認し、隙間を再度埋める
問題例 2: 防火性能が不足している
原因:
- 材料の厚み不足
- 不適切な材料の使用
解決策:
- 施工箇所の厚みを測定し、必要に応じて材料を追加する
- メーカー推奨の材料を使用する
終わりに
防火区画貫通処理は、建物の防火性能を保つために不可欠な工程です。技術や材料が進化している今、最新の情報を取り入れながら適切な施工を行うことが求められます。
これを機会に、防火区画貫通処理に関する知識をさらに深め、安全で快適な建築環境を目指しましょう。この記事が皆さんの参考になれば幸いです。



























