今回は高圧電路を開閉する機器について説明したいと思います。
3つの重要機器
負荷開閉器
負荷電流が流れた状態でも電路を遮断できる開閉器のことです。
一般送電事業者と需要家との責任分界点に施設される区分開閉器と、負荷側電路の分岐点に施設される負荷開閉器の2か所に施設されます。
地絡方向継電装置付高圧交流負荷開閉器
一般送電事業者と需要家の責任分界点に施設する柱上用気中開閉器。
箱の中に高圧交流負荷開閉器が収められていて、併設される地絡方向継電器で地絡を検知して開閉器の接点を電磁装置で開放します。
地絡方向継電器は零相変流器と零相基準入力装置の出力を使って、自構内で発生した地絡のみを作動する。
地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器
地絡電流の向きが検知できない無方向性の地絡継電器を設置したもの。
引込線の長さがそれほど長くならない施設に採用される。負荷側の引込線のこう長が長い場合は、電源側で発生した地絡でも不必要に作動してしまい、もらい事故を起こすおそれがある。
断路器
設備の点検検査の際に電路を切るための機器です。
アーク消弧機能がないので、負荷電流が流れている状態で接点を操作することはできません。
設備点検や修理を行うときに高圧電路の開閉を行う機器。アーク消弧の機能がないので、電流が流れている時の開閉は行えない。そのため、開閉操作の際には、必ず先に遮断器を開いておいて、無負荷状態にした後で開閉を行わなければいけない。
開閉操作は、高圧絶縁ゴム手袋を着用して操作棒で開閉する。
遮断機
負荷側の事故や損傷で異常な電流が流れた時に、電路を自動遮断する保護装置です。
大電流をすみやかに遮断できる遮断容量をもち、主遮断装置である高圧交流遮断器と、負荷回路の幹線に施設する配線用遮断器が該当します。
高圧交流遮断器
高圧電路が短絡すると、その短絡電流は数千アンペアにもなるため、それを検知して電路を遮断して設備を保護する機器。
接点を真空室内で開閉してアーク消弧を行う真空遮断器。高圧受電設備では、過電流継電器や地絡継電器と組み合わせて、過電流や地絡発生時にも遮断器を開くようにして施設される。
まとめ
今回は高圧電路の開閉器について説明しました。第一種電気工事士には高圧は必須になってきますのでよく理解しましょう。